表面処理の基礎
表面処理の基礎の質問
- めっきと塗装は何が違いますかめっきは金属の皮膜を電気などで析出させる処理、塗装は塗料の膜を素材の上に付ける処理です。防錆の考え方が根本的に違い、めっき(亜鉛)は身代わり…
- 膜厚を上げれば防錆は長持ちしますか亜鉛めっきなど犠牲防食の処理では、膜厚を増やすと防錆期間はおおむね伸びます。ただし厚くすると、ねじやはめあいがきつくなる、エッジに厚く付いて…
- 業者を変えたら膜厚の値が変わったのはなぜですか膜厚は、どの部位で・何点測り・最小値か平均かで値が変わります。処理先ごとにこの測り方の標準が違うため、同じ図面でも報告される数値が変わること…
- 塗装が剥がれました。塗装の問題ですか塗装工程そのものより、前処理と素地に原因があることが多いです。脱脂が不十分で油分が残っていた、素地に錆やスケールがあった、前処理の皮膜がうま…
- 少量多色の塗装案件は、どの方式が向いていますか色替えの手間が小さい溶剤塗装(吹き付け)が向きます。粉体塗装やカチオン電着は、色ごとにラインや槽の切り替え・洗浄が要り、少量多色では段取りが…
- 表面処理は錆を防ぐための処理ですか防錆は主要な目的の一つですが、それだけではありません。表面処理には、防錆のほかに、外観(色・光沢)、硬さ・耐摩耗、寸法出し、導通・絶縁、摺動…
- 前処理は処理先に任せてよいですか工程としては任せますが、素地の状態と情報は発注側が用意します。前処理(脱脂・酸洗・ブラスト)の良し悪しが仕上がりを左右するので、素地に油・錆…
- 膜厚は部品のどこでも同じですか電気めっきでは同じではありません。電流の集中する角やエッジは厚く、届きにくい内面・袋部・深穴は薄くなります。無電解めっきや電着塗装は比較的均…
- ブラストとショットピーニングは同じですか似た装置を使いますが目的が違います。ブラストは表面を削って粗くする・清浄にする・梨地にするための処理、ショットピーニングは表面を叩いて圧縮の…
- 「梨地にしてほしい」で伝わりますか大まかには伝わりますが、梨地の粗さや質感には幅があるため、それだけでは仕上がりが安定しません。使う粒の種類や番手で肌が変わります。粗さの程度…
- 溶射とめっきはどちらを選ぶべきですか厚い皮膜や、局所的な肉盛り・補修、めっきでは出せない材質の皮膜が要るなら溶射。薄く均一な皮膜や、量産・コストを重視するならめっきが向きます。…
- ステンレスなのになぜ錆びるのですかステンレスは表面の不動態皮膜で錆を防いでいますが、この皮膜が壊れたり、鉄粉が付着したりすると錆びます。加工で付いた鉄粉(もらい錆)、溶接焼け…
- ステンレスの溶接焼けは研磨で落とせば十分ですか見た目は落ちますが、それだけでは耐食性が完全には戻らないことがあります。溶接焼けの部分は不動態皮膜が壊れ、下地も変質しています。研磨で変色を…
- 電解研磨とバフ研磨は何が違いますかバフ研磨は物理的に磨いて光沢を出す処理、電解研磨は電気化学的に表面を溶かして滑らかにする処理です。電解研磨は複雑形状や内面も均一に処理でき、…
- 図面に「静電塗装」と指定すれば伝わりますか「静電塗装」は塗り方であって、塗料の種類を決めていません。静電塗装には粉体を使うものと溶剤を使うものがあり、どちらかで仕上がりも性能も変わり…
- 複雑な形状の内側まで塗るには、どの方式がよいですかつきまわりの良いカチオン電着塗装が第一候補です。液に浸けて電気で析出させるため、袋部や内面、隙間まで塗料が回ります。吹き付ける粉体や溶剤は内…
電気亜鉛めっき
電気亜鉛めっきの質問
- 電気亜鉛めっきだけでは錆びますか後処理(クロメート)なしの亜鉛めっき素地は、短期間で白錆が出ます。亜鉛めっきは通常、クロメートなどの後処理とセットで防錆性を保ちます。めっき…
- 亜鉛めっきのバレルとラック、どちらが安いですか一般には、小物を大量にまとめて処理できるバレルの方が単価は安くなります。ただしバレルは部品どうしがぶつかって打痕が出るため、外観面のある部品…
- 溶接後の部品もめっきできますかできますが、溶接のやり方次第で不良が出ます。溶接部に残ったスパッタやスラグ、溶接焼け、すき間があると、そこにめっきが乗らなかったり、あとから…
- 亜鉛めっきでベーキングは必ず必要ですかすべての部品に要るわけではありません。ベーキングは、電気めっきで入り込んだ水素による「水素脆性」を防ぐための処理で、高強度の鋼や熱処理品で必…
- 溶接部だけを防錆できますか部分的な防錆は可能ですが、めっきで一部分だけを処理するのは現実的ではありません。溶接部の局所防錆は、亜鉛リッチ塗料(ジンクリッチペイント)や…
- ベーキングをすれば水素脆性は必ず防げますか確実にゼロにできる保証はありません。ベーキングは侵入した水素を追い出して脆化のリスクを大きく下げる処理ですが、めっき後どれだけ早く・適切な条…
クロメート・後処理
クロメート・後処理の質問
- 三価クロメートに変えたら錆びやすくなったのはなぜですか六価クロメートには、傷が付いた部分をクロム酸が溶け出して覆い直す「自己修復」の働きがあります。三価にはこの機構がないため、エッジや打痕、擦れ…
- 図面に「ユニクロ」と書いてあります。六価ですか三価ですか「ユニクロ」は色(銀白色)の呼び名であって、六価か三価かは決めていません。古い図面のユニクロは六価の光沢クロメートを指すことが多いですが、い…
- 三価クロメートにシーラーを足せば六価と同等になりますか耐食時間は六価に近づけられますが、「同等」とは言い切れません。シーラーは皮膜の上を覆って耐食性を底上げしますが、六価が持つ傷部の自己修復とは…
- 六価クロメートはもう使えないのではないですか一律に禁止されているわけではありません。六価クロムは規制対象ですが、適用除外や、規制の及ばない仕向け先・用途があります。使えるかどうかは、製…
- 規制上は問題ないのに、業者が六価クロメートを断るのはなぜですか六価クロムを扱うには、特化則に対応した設備と管理体制が必要で、その負担のために六価のラインを持たない・やめた処理業者が増えているためです。規…
- 化成処理をクロムフリーにできますかできる場合が多いですが、要求される耐食性や、上に塗る塗装との相性で可否が変わります。クロムを使わない化成処理(ノンクロメート)は環境対応で広…
- 図面に「化成処理」とだけ書いてあります。何を確認すればよいですか「化成処理」は総称なので、それだけでは処理が特定できません。素材(アルミか鉄か亜鉛めっき面か)、目的(防錆か塗装下地か)、クロムの可否、色や…
- エッジ(角)だけ錆びます。処理を変えるべきですか処理を変える前に、まずエッジの形状を疑ってください。鋭い角は皮膜が薄くなりやすく、そこから錆びます。面取りやバリ取りで改善することが多く、そ…
- ユニクロから黒色クロメートへ変更できますかできます。どちらも亜鉛めっき後の後処理(クロメート)なので、めっき自体は同じで後処理を黒に変えるだけです。ただし黒色は色の濃淡や外観のばらつ…
- 黒色クロメートの色の濃淡は指定できますか厳密な色番号での指定は難しく、限度見本で範囲を決めるのが現実的です。黒色クロメートは処理条件や下地でばらつくため、塗装のように正確な色を再現…
- 化成処理とめっきは何が違いますかめっきは表面に別の金属の膜を付ける処理、化成処理は素材の表面を薬液で反応させて皮膜に変える処理です。化成処理は皮膜が薄く、単体の防錆力は穏や…
- クロメートの色が現行品と合いません処理先や処理条件が違えば、同じ指定でも色調は振れます。クロメートの色は塗装のように正確に再現できるものではなく、六価か三価か、下地の亜鉛めっ…
- クロメートで環境資料は何を求められますか多いのは、六価クロムなど規制物質の不含有を示す資料です。RoHS対応の証明、含有化学物質の調査回答(chemSHERPAなど)、材料メーカー…
- 亜鉛ニッケルめっきにすれば耐食性の問題は解決しますか耐食性は大きく上がりますが、万能ではありません。亜鉛ニッケルは電気亜鉛より高い耐食性を持ちますが、コストが上がり、対応業者が限られ、高強度材…
カチオン電着塗装
カチオン電着塗装の質問
その他の処理
その他の処理の質問
- アルマイトで寸法はどれだけ増えますかアルマイトは母材のアルミを酸化させて皮膜を作るため、皮膜の厚みのおよそ半分が外側に成長し、残り半分は母材側へ食い込みます。片側で皮膜厚の約半…
- 硬質クロムめっきなら錆びませんか硬質クロムめっきは硬さと耐摩耗性のための処理で、防錆が主目的ではありません。クロム皮膜には微細なクラック(割れ)があり、そこから素地の鉄が錆…
- 黒染めだけで防錆できますか黒染め単体の防錆力は弱く、それだけで長期の防錆を期待するものではありません。黒染めは鉄の表面に黒い酸化皮膜を作る処理で、寸法変化がほぼなく見…
- 粉体塗装とカチオン電着塗装はどう違いますかカチオン電着は液に浸けて通電し、隅々まで均一に薄く付ける処理で、防錆の下塗りに強みがあります。粉体塗装は粉を吹き付けて焼き付ける処理で、厚く…
- アルマイトをかけた面で通電できますかできません。アルマイトの酸化皮膜は電気を通さない絶縁体です。導通が必要な箇所は、マスキングして処理しないか、処理後に皮膜を除去する必要があり…
- 鉄やステンレスにアルマイトはできますかできません。アルマイトはアルミ(およびアルミ合金)の表面を酸化させる処理で、鉄やステンレス、銅などアルミ以外の金属には原理的にかかりません。…
- パーカー処理とリン酸塩処理は同じものですかほぼ同じ意味で使われます。「パーカー処理」はリン酸塩処理(特にリン酸マンガン・リン酸亜鉛皮膜)の通称で、もとは商標に由来する呼び名です。現場…
- 溶融亜鉛めっきと電気亜鉛めっきはどちらを選ぶべきですか屋外で長期の防錆が要る大きな鉄骨・構造物なら溶融亜鉛めっき、寸法精度や外観、小物・薄物なら電気亜鉛めっきが向きます。溶融亜鉛は皮膜が厚く防錆…
- 無電解ニッケルめっきはどんなときに使いますか複雑な形状でも膜厚が均一に付くこと、硬さや耐食・耐摩耗を兼ねられること、非磁性にできることが強みです。電気めっきでは膜厚がそろわない内面・深…
- 樹脂部品にも粉体塗装はできますか一般的な粉体塗装は高温で焼き付けるため、熱に弱い樹脂には向きません。焼き付け温度に耐えられる一部の樹脂や、低温硬化タイプの粉体なら可能な場合…
- 黒染めと黒色クロメートはどちらを選ぶべきですか寸法をほとんど変えずに黒くしたいなら黒染め、防錆をしっかり効かせたいなら亜鉛めっき+黒色クロメートです。黒染めは薄い酸化皮膜で防錆油頼み、黒…
- 溶融亜鉛めっき後にねじは通りますかそのままでは通りにくくなります。溶融亜鉛めっきは皮膜が厚いため、ねじ山に付いた分だけ寸法が変わり、めねじ・おねじがかみ合いにくくなります。め…
- 薄板を溶融亜鉛めっきできますかできますが、熱で歪むリスクがあります。溶融亜鉛めっきは高温の亜鉛槽に浸けるため、薄い板や細長い部品は熱で反ったり変形したりしやすくなります。…
- 電気亜鉛めっきから亜鉛ニッケルにそのまま置き換えられますか図面上は後処理や膜厚の指定を見直す必要があり、コストと対応業者も変わります。処理としては亜鉛めっきの延長ですが、膜厚あたりの耐食性が違うため…
- 亜鉛ニッケルめっきで耐食性はどのくらい上がりますか電気亜鉛めっきより大幅に長い塩水噴霧耐性が得られるとされ、熱がかかる環境での防錆にも強いのが特徴です。ただし具体的な数値は、膜厚、後処理、試…
- 亜鉛ニッケルめっきの対応業者が少ないのはなぜですか合金めっき特有の管理の難しさと、専用の設備・液管理が要るためです。亜鉛とニッケルの比率を安定させる管理や、廃液処理の負担が大きく、どこでも扱…
- 無電解ニッケルと電気ニッケルめっきの違いは何ですか電気ニッケルは電流で析出させるため膜厚が部位で偏りますが、無電解ニッケルは化学反応で析出させるため複雑形状でも膜厚が均一です。無電解は耐食・…
- 図面に「クロムめっき」とだけあります。硬質クロムですか装飾クロムですか「クロムめっき」だけでは特定できません。硬さや耐摩耗のための硬質クロムと、見た目のための装飾クロムは、膜厚も工程も用途もまったく違います。目…
- 硬質クロムめっきで寸法を出せますかできます。硬質クロムは厚めに付けられるため、摩耗や加工で減った寸法を盛って戻す「寸法出し」に使えます。ただし付けたあとに研磨で仕上げるのが前…
- 同じアルマイト指定なのに色が違うのはなぜですかアルミの合金種やロット、処理条件で、同じ指定でも色や質感が変わるためです。特に染色アルマイトや、鋳物・ダイカスト材では色が安定しにくくなりま…
- リン酸塩処理だけで防錆できますか単体の防錆力は弱く、それだけで長期の防錆は期待できません。リン酸塩処理の皮膜は多孔質で、防錆油の塗布や、上に塗る塗装とセットで防錆します。塗…
- リン酸塩処理は塗装の前処理として必ず必要ですか塗装の種類と要求品質によります。密着や防錆をしっかり出したい塗装では、リン酸塩や化成処理の下地が効きます。一方、簡易な塗装や、別の下地処理を…
- 塗装してあれば錆びませんか塗膜が健全なうちは防げますが、傷が入るとそこから錆びます。塗装は覆って水や酸素を遮断する「遮断型」の防錆で、亜鉛めっきのような身代わりの防御…
- 溶剤塗装と粉体塗装はどちらを選ぶべきですか少量多色や、熱をかけにくい部品、細かい色指定なら溶剤塗装。厚い膜で耐候性・耐久性を出したい、同色を大量に流すなら粉体塗装が向きます。色替えの…