よくある質問 ・ クロメート・後処理
三価クロメートにシーラーを足せば六価と同等になりますか
結論
耐食時間は六価に近づけられますが、「同等」とは言い切れません。シーラーは皮膜の上を覆って耐食性を底上げしますが、六価が持つ傷部の自己修復とは仕組みが違います。要求が塩水噴霧の時間なのか、傷への強さなのかで評価が変わります。
シーラーは「覆う」、六価は「直す」
シーラー(トップコート)は、三価クロメート皮膜の上に薄い層を重ね、水や酸素の侵入を遅らせます。これで塩水噴霧試験の白錆・赤錆までの時間は延び、六価に近い数値を出せます。
ただし働きは「覆う」ことで、六価の「溶け出して傷を覆い直す」自己修復とは別物です。無傷の状態では差が縮まりますが、傷が入ったあとの振る舞いは同じにはなりません。
何を「同等」と呼ぶかで結論が変わる
要求が「塩水噴霧◯時間」という数値なら、三価+シーラーで満たせることが多いです。要求が「エッジや打痕があっても錆びない」なら、六価の自己修復に依存している可能性があり、シーラーだけでは届かないことがあります。
顧客の要求が数値なのか、実部品での耐久なのかを先に切り分けてください。ここが曖昧なまま「同等です」と進めると、市場で錆びてから問題になります。
副作用も確認する
シーラーは膜厚が増えるため、ねじやはめあい部の寸法に影響することがあります。また外観(色調・つや)も変わります。導通が必要な部位では、シーラーが接触抵抗を上げることもあります。耐食性だけでなく、これらの影響も併せて確認してください。
確認ポイント
相談・判断の前に見ておくこと
✓
顧客要求は塩水噴霧の時間か、傷への強さか
✓
シーラーの膜厚がねじ・はめあい・導通に影響しないか
✓
外観(色調・つや)の変化が許容されるか
詳しく知る
背景を掘り下げるページ
ほかの質問
あわせて読まれる質問
- 三価クロメートに変えたら錆びやすくなったのはなぜですか六価クロメートには、傷が付いた部分をクロム酸が溶け出して覆い直す「自己修復」の働きがあります。三価にはこの機構がないため…
- 図面に「ユニクロ」と書いてあります。六価ですか三価ですか「ユニクロ」は色(銀白色)の呼び名であって、六価か三価かは決めていません。古い図面のユニクロは六価の光沢クロメートを指す…
- 六価クロメートはもう使えないのではないですか一律に禁止されているわけではありません。六価クロムは規制対象ですが、適用除外や、規制の及ばない仕向け先・用途があります。…
- 規制上は問題ないのに、業者が六価クロメートを断るのはなぜですか六価クロムを扱うには、特化則に対応した設備と管理体制が必要で、その負担のために六価のラインを持たない・やめた処理業者が増…