よくある質問 ・ カチオン電着塗装
カチオン電着塗装で塗膜が剥がれるのはなぜですか
結論
多くは塗装そのものより、前処理と素地に原因があります。脱脂が不十分で油分が残っていた、化成皮膜がうまく付かなかった、素地に錆やスケールがあった、といった下地の問題で密着が落ちます。剥がれは結果で、原因は工程の前段にあることが多いです。
電着は密着を前処理に依存する
カチオン電着塗装は、脱脂→化成皮膜(リン酸亜鉛など)→電着という工程で成り立ちます。塗膜が素地に食い付くための土台は、電着の前の化成皮膜が作ります。だから、脱脂で油分が落ちきっていなかったり、化成皮膜が均一に付かなかったりすると、塗膜はきれいに乗っても密着が弱く、あとで剥がれます。
剥がれた面を見て塗装工程だけを疑っても、原因にたどり着きません。前処理と素地まで含めて見る必要があります。
素材と形状も原因になる
素地に錆やミルスケール、鋳巣(鋳物の巣)があると、そこは化成皮膜が付きにくく、剥がれの起点になります。溶接部のすき間から前処理液がしみ出して、あとから塗膜を押し上げることもあります。
材質が変わると化成皮膜の付き方も変わります。鉄・亜鉛めっき鋼板・アルミなどが混在する部品では、それぞれに合った前処理条件が要ります。
再発防止は原因の切り分けから
剥がれが出たら、まず「どこで・どのように剥がれたか」を処理先と共有します。全面か一部か、素地から剥がれているか塗膜の途中で割れているか、特定の部位(溶接部・エッジ・鋳巣)に集中していないか。これで原因の見当がつきます。
原因が前処理なら脱脂や化成の条件、素地なら材料の受け入れ状態、形状ならすき間の処理、と対策先が変わります。剥がれの写真と部品の情報があれば、切り分けの相談が進みます。
確認ポイント
相談・判断の前に見ておくこと
剥がれは全面か、溶接部・エッジ・鋳巣など一部か
素地に錆・スケール・鋳巣・油分がなかったか
異種材料が混在していないか(前処理条件が変わる)
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