よくある質問 ・ 表面処理の基礎

膜厚を上げれば防錆は長持ちしますか

結論

亜鉛めっきなど犠牲防食の処理では、膜厚を増やすと防錆期間はおおむね伸びます。ただし厚くすると、ねじやはめあいがきつくなる、エッジに厚く付いて寸法が動く、コストが上がる、といった副作用も出ます。防錆だけでなく寸法とのバランスで決めます。

犠牲防食では膜厚が持ち時間になる

亜鉛めっきは、亜鉛が身代わりに消耗して鉄を守ります。だから亜鉛が厚いほど、消耗しきるまでの時間が長くなり、防錆期間は伸びます。屋外や塩害地域で長期の防錆が要る部品で、膜厚を上げるのはこのためです。

ただし防錆は膜厚だけで決まりません。後処理(クロメート)の種類や、上塗り塗装の有無も効きます。膜厚を上げるのは選択肢の一つで、唯一の手ではありません。

厚くすると寸法と組み付けに響く

膜厚を上げると、ねじは通りにくくなり、はめあい部はきつくなります。電気めっきでは角(エッジ)に電流が集中して厚く付くため、稜線の寸法も動きます。公差の厳しい部品では、厚くしたぶんが不良につながります。

ねじやはめあいを持つ部品では、防錆のために膜厚を上げるのか、その部位だけ処理後寸法で管理する・マスキングするのか、を先に決めます。防錆と寸法は、しばしばトレードオフになります。

処理の種類でも効き方が違う

遮断型の塗装では、厚くすれば必ず長持ちするとは限りません。厚すぎると割れやすくなる、垂れる、エッジが薄くなる、といった別の問題が出ることがあります。処理の種類によって、膜厚と防錆の関係は変わります。

「厚くすれば安心」と一律に考えず、処理の種類・使用環境・寸法の許容を合わせて、適した膜厚を処理先と決めてください。

確認ポイント

相談・判断の前に見ておくこと

犠牲防食(めっき)か遮断(塗装)か

ねじ・はめあいなど寸法がシビアな部位はどこか

後処理や上塗りで防錆を補う選択肢はないか

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