よくある質問 ・ 表面処理の基礎
めっきと塗装は何が違いますか
結論
めっきは金属の皮膜を電気などで析出させる処理、塗装は塗料の膜を素材の上に付ける処理です。防錆の考え方が根本的に違い、めっき(亜鉛)は身代わりに錆びて守る「犠牲防食」、塗装は覆って水や酸素を遮断します。傷が入ったときの振る舞いが変わります。
皮膜の作り方が違う
めっきは、金属イオンを含む液の中で、電気や化学反応によって部品の表面に金属の膜を析出させます。亜鉛めっき、ニッケルめっき、クロムめっきなどです。皮膜は金属そのものです。
塗装は、塗料(樹脂に顔料などを混ぜたもの)を吹き付ける・浸ける・電着させるなどして、素材の上に膜を作り、焼き付けや乾燥で固めます。カチオン電着塗装、粉体塗装、溶剤塗装などです。皮膜は樹脂です。
防錆の仕組みが根本的に違う
亜鉛めっきの防錆は「犠牲防食」です。傷が付いて鉄が露出しても、周りの亜鉛が先に錆びて鉄を守ります。多少の傷なら守り続けます。ただし亜鉛は消耗するので、後処理(クロメート)で消耗を遅らせます。
塗装の防錆は「遮断」です。塗膜が水や酸素を通さないことで錆を防ぎます。膜が健全なうちは強いですが、傷が付いて素地に達すると、そこから錆が入り込み、塗膜の下で広がることがあります。犠牲防食のような自己防御はありません。
選び方は目的と形状から
厚い膜で見た目や耐候性を出したいなら塗装、薄い膜で寸法を保ちつつ防錆や機能(硬さ・導通)が要るならめっき、というのが大まかな分かれ目です。複雑形状で隅々まで防錆したいなら、つきまわりの良いカチオン電着塗装やめっきが向きます。
実際には、めっきの上に塗装を重ねる、電着塗装を下塗りにして上塗りを乗せる、といった組み合わせもあります。防錆・外観・寸法・コストのどれを優先するかを整理して、処理先に用途を伝えてください。
確認ポイント
相談・判断の前に見ておくこと
求めるのは防錆か、外観か、硬さ・導通などの機能か
傷が入る使われ方か(犠牲防食か遮断かで有利さが変わる)
膜厚で寸法が変わって困る部位はあるか
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