よくある質問 ・ 表面処理の基礎

ステンレスの溶接焼けは研磨で落とせば十分ですか

結論

見た目は落ちますが、それだけでは耐食性が完全には戻らないことがあります。溶接焼けの部分は不動態皮膜が壊れ、下地も変質しています。研磨で変色を落としたうえで、酸洗いや不動態化処理で皮膜を作り直すと、耐食性が回復します。

溶接焼けは変色だけの問題ではない

ステンレスの溶接焼け(溶接部周辺の茶色〜青色の変色)は、熱で不動態皮膜が壊れ、表面のクロムが酸化して、耐食性が落ちた状態です。見た目の変色だけでなく、その部分は錆びやすくなっています。

研磨で変色を削り落とせば、見た目はきれいになります。しかし、研磨だけでは表面が活性なままで、放置すると不動態皮膜が十分に再生しないうちに錆びることがあります。

酸洗い・不動態化で皮膜を戻す

耐食性まで戻すには、研磨や酸洗いで変質層を除いたうえで、不動態化処理(酸で表面を清浄にし、安定した皮膜を作り直す)を行うのが確実です。溶接部の耐食性が重要な部品(食品・薬品・屋外など)では、変色を落とすだけで終わらせないことが大切です。

どこまでの処理が要るかは、使用環境と要求される耐食性で決まります。溶接後の仕上げとして、研磨だけでよいのか、酸洗い・不動態化まで要るのかを、用途から判断してください。

確認ポイント

相談・判断の前に見ておくこと

溶接部の耐食性が重要な用途か(食品・薬品・屋外)

研磨だけか、酸洗い・不動態化まで行うか

使用環境から必要な処理レベルを判断したか

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