工程の順序

亜鉛めっきは溶接前か溶接後か

溶接前後のどちらで亜鉛めっきを行うかは、防錆範囲、溶接品質、変形、液抜け、外観に関わります。特に箱形状、重ね合わせ、スパッタ、後加工がある部品では、工程順序を曖昧にしたまま見積へ進めると確認が戻りやすくなります。

溶接された鋼材と亜鉛めっきサンプルを比較する検査台のイメージ

この処理の基本

順序を決めないまま見積へ進めない

溶接後にめっきする場合の問題

溶接してからめっきすると、溶接部も含めて全体が防錆されます。ただし、箱形状や重ね合わせがあると、内部に処理液や洗浄液が残ります。抜けきらない液は、後から滲み出して外観不良になったり、乾燥不良につながったりします。

液抜き穴が必要になりますが、どこに、どの大きさで開けるかは、吊った姿勢で液が最下点へ流れるかどうかで決まります。設計段階で処理先と決めてください。「穴があるから大丈夫」とは限りません。

溶接前にめっきする場合の問題

先にめっきしてから溶接すると、溶接部のめっきは熱で失われます。その箇所は防錆されないままになります。溶接部だけ後から補修するのか、そこは錆びてもよいのかを決める必要があります。

また、亜鉛は溶接品質に影響します。溶接する箇所をマスキングするのか、溶接後に処理し直すのか。この判断は溶接側と処理側の両方に関わるため、早めに共有してください。

スパッタと焼けは前処理の負担になる

溶接のスパッタ、スラグ、焼けが残ったままめっきすると、その上に皮膜が乗ることになり、密着不良や外観不良になります。前処理で落とせる範囲を超えていれば、研磨が必要になります。

溶接部の状態がどの程度なのかを、写真で共有してください。前処理の工数が見積に効きます。

確認する項目

溶接とめっきの順序で変わること

部品構造と防錆したい範囲を先に分けると、工程順序の相談がしやすくなります。

観点曖昧なままだと起きること候補先に伝える情報
溶接前溶接部は後から影響を受ける。溶接予定箇所、後処理
溶接後袋構造や隙間に液が残る可能性がある。液抜け、乾燥、穴位置
外観スパッタや焼けが残ると仕上がりに影響する。前処理、研磨、外観基準
図面工程順序が曖昧だと見積条件がずれる。工程指定、処理範囲

チェックリスト

問い合わせ前に手元で揃えておくもの

溶接箇所

袋構造

液抜け穴

防錆したい範囲

外観面

後加工の有無

すべて埋めてから相談する必要はありません。未確定の項目は「未定」「現行品に合わせたい」「顧客指定を確認中」と書けば十分です。 空欄にするより、分からない項目として共有した方が、処理可否と追加確認を早く切り分けられます。

相談文の例

溶接後めっきの相談メモ

そのままコピーして、図面や写真を添えて送れる文面です。

溶接品への亜鉛めっきについて、工程順序、液抜け、外観、処理範囲を確認したいです。

よくある質問

相談前によく聞かれること

溶接後の部品もめっきできますか。

形状、サイズ、液抜け、前処理の可否で判断します。

溶接部だけ防錆できますか。

部分処理や別処理の検討になります。図面と写真で範囲を確認します。

関連ページ

あわせて確認したいページ