後処理の確認

三価クロメートとユニクロの違いで確認すること

ユニクロは色の呼び名、三価はクロムの種類。並べて比べるものではありません。同じ「ユニクロ」でも中身が六価か三価かは決まっておらず、環境資料を求められた段階で問題が表面化します。

色調の異なるクロメート処理サンプルを並べて比較する検査台

この処理の基本

呼称が揺れる理由と、そのせいで起きること

「ユニクロ」は色の話、「三価」は中身の話

ユニクロは、亜鉛めっきの後処理でできる青白い(銀白色の)仕上がりを指す、現場の呼び名です。色を言っています。一方「三価」「六価」は、クロメート処理に使うクロムの種類を指します。中身を言っています。

この2つは並べて比べるものではありません。「ユニクロ=六価の光沢クロメート」という時代が長かったため同じ意味で使われがちですが、いまは三価でユニクロ調の色を出したものも「ユニクロ」と呼ばれます。**同じ言葉で、中身が違うものを指している**のが、いま起きている混乱です。

色が同じでも、中身は保証されない

図面に「ユニクロ」とだけ書かれていたら、処理先は自社の標準(多くは三価)で処理します。それが顧客の要求と合っているかは、誰も確認していません。環境資料の提出を求められて、初めて六価か三価かが問題になります。

逆に、六価と三価では耐食性の出方も違います。色が同じでも、傷が入ったときの振る舞いが違います。「見た目が同じだから同等」とは言えません。

図面には、色ではなく中身を書く

確実なのは、図面に「三価クロメート(有色/光沢/黒)」のように、クロムの種類と色調を分けて書くことです。そのうえで、色調は限度見本か現行品サンプルで合わせます。

古い図面の呼称をそのまま使い続けるなら、少なくとも見積依頼のときに「この表記は三価の理解でよいか」を1行確認してください。それだけで、環境資料の段階での手戻りが減ります。

確認する項目

呼称で迷ったときの確認表

言葉を一致させるより、図面表記と要求品質を一致させることを優先します。

観点曖昧なままだと起きること候補先に伝える情報
図面表記古い呼称や社内表記が残り、六価か三価かが決まらない。クロムの種類(三価/六価)と色調を分けて記載
色調ユニクロ、銀白、青白と表現が揺れ、合否の基準にならない。現行品サンプル、限度見本
環境資料六価の含有可否を問われ、量産後に判明する。提出が必要な資料と、仕向け先
耐食性色が同じでも、傷が入ったあとの振る舞いが違う。使用環境、要求する耐食性の根拠
業者変更同じ呼称で発注しても、処理先ごとに色調が振れる。現行品サンプル、試作での比較
顧客承認色調変更に承認が要ることが、あとから分かる。承認フロー、初品提出の要否

チェックリスト

問い合わせ前に手元で揃えておくもの

図面の表記(呼称そのまま/中身を明記)

現行品のサンプル(色調の基準になる)

六価か三価か、確認済みかどうか

環境資料の提出要求の有無

外観面と、色調の許容範囲

色調変更に顧客承認が要るか

すべて埋めてから相談する必要はありません。未確定の項目は「未定」「現行品に合わせたい」「顧客指定を確認中」と書けば十分です。 空欄にするより、分からない項目として共有した方が、処理可否と追加確認を早く切り分けられます。

相談文の例

クロメート確認メモ

そのままコピーして、図面や写真を添えて送れる文面です。

図面には「ユニクロ」と記載がありますが、六価か三価かが明記されていません。現行品のサンプルを送りますので、色調を基準に、三価での対応可否、色調の差がどの程度出るか、環境資料の提出可否を教えてください。顧客承認が必要になる場合の手順もあわせてお願いします。

よくある質問

相談前によく聞かれること

ユニクロと三価クロメートは同じですか。

同じものを指すとは限りません。ユニクロは色(銀白色)の呼び名、三価はクロムの種類です。いまは三価でユニクロ調に仕上げたものもユニクロと呼ばれます。図面では中身を明記してください。

色調の差は許容できますか。

外観面かどうか、限度見本があるか、顧客承認が要るかで決まります。処理先が変われば同じ指定でも色調は振れるため、現行品との比較を先にしてください。

三価にすれば環境対応は済みますか。

六価の含有については対応になりますが、仕向け先ごとの要求資料は別です。何を提出する必要があるのかを、顧客側の基準で確認してください。

六価と三価で耐食性は同じですか。

同じではありません。六価には皮膜から溶け出したクロム酸が傷部を覆い直す機構がありますが、三価にはありません。実部品で差が出ることがあります。

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