後処理の選定
六価クロメートと三価クロメートの違い
三価クロメートは六価の置き換えとして普及しましたが、皮膜の働き方そのものが違います。六価は傷ついた箇所を自ら覆い直す性質を持ち、三価にはその機構がありません。同じ耐食性が図面に書かれていても、実際の部品では差が出ることがあります。
確認する項目
六価と三価で何が変わるか
耐食性の数値だけを並べても違いは見えません。皮膜の働き方、法規制、外観、処理先の確保しやすさを分けて比べます。
| 項目 | 六価クロメート | 三価クロメート |
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| 皮膜の働き | 溶け出したクロム酸が傷部を覆い直す(自己修復性) | 皮膜自体の緻密さと厚みで守る。傷部は露出したまま残る |
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| 実部品での傷 | エッジ、打痕、擦れをある程度補う | 傷部から腐食が進みやすい。シーラーで補強することが多い |
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| 法規制 | RoHS、ELV、REACHなどの制限対象。仕向け先と用途で可否が決まる | 制限対象外として採用されることが多い |
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| 外観 | 有色は黄色から虹色の干渉色。旧図面の色調はこれを指すことが多い | 有色系は寄せているが、同じ色にはならない |
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| 耐熱 | 加熱で耐食性が低下するとされる | 比較的耐熱性に優れるとされる |
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| 処理先 | 特化則対応の設備が必要で、扱える業者が減っている | 対応できる業者が多い |
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✓図面の「クロメート」「ユニクロ」表記が六価前提か
✓求めている耐食性が試験片ベースか、実部品ベースか
すべて埋めてから相談する必要はありません。未確定の項目は「未定」「現行品に合わせたい」「顧客指定を確認中」と書けば十分です。 空欄にするより、分からない項目として共有した方が、処理可否と追加確認を早く切り分けられます。
相談文の例
六価か三価かを確認するときの相談メモ
そのままコピーして、図面や写真を添えて送れる文面です。
図面には「クロメート」としか書かれておらず、六価か三価かが確定していません。現行品の現物と最終製品の仕向け先を共有しますので、適用される規制と、実部品での耐食性の見方について確認したいです。過去に三価へ置き換えて錆が出た経緯があれば、その箇所も併せて相談します。