形状の確認

カチオン電着塗装で穴や袋形状があるときの確認項目

穴や袋形状は、カチオン電着塗装の液抜け、乾燥、外観、品質に影響します。穴があるだけでは十分とは限らず、吊ったときにどこへ液が流れるか、乾燥後に跡が残らないかまで写真や現物で共有します。

カチオン電着塗装で穴や袋形状の液抜けを確認する吊り部品のイメージ

この処理の基本

穴があることと、液が抜けることは違う

吊った姿勢で最下点にあるか

電着塗装は、部品を吊って槽に浸けます。液が抜けるかどうかは、吊った姿勢での穴の位置で決まります。図面上は底に見える穴でも、吊り方によっては上を向いてしまい、液が抜けません。

つまり「穴がある」だけでは足りません。どの向きで吊るのか、そのとき最下点はどこか、そこに穴があるか。この3点がそろって初めて液が抜けます。吊り位置は処理先が決めるため、部品の形状と外観面を先に共有してください。

残った液は後から出てくる

袋部や重なり部に液が残ったまま焼付炉に入ると、乾燥中に膨張して吹き出したり、後から滲み出して塗膜を汚したりします。出荷後に「白い跡が出た」という不具合の多くは、これが原因です。

残液は検査で見つけにくく、時間が経ってから表面化します。だからこそ、形状の段階で潰しておく必要があります。

穴を開けられない場合

強度や気密の要求で穴を開けられない部品もあります。その場合は、吊り方を変える、処理範囲を分ける、電着以外の処理を選ぶ、といった検討になります。

「穴は開けられない」という制約を先に伝えてください。処理先が別の成立方法を出せることがあります。設計が固まってから相談すると、選択肢が狭くなります。

確認する項目

穴・袋形状で確認すること

液が入る場所と抜ける場所を分けると、処理可否の確認が早くなります。

観点曖昧なままだと起きること候補先に伝える情報
穴位置液が抜けずに残ることがある。穴径、位置、向き
袋形状洗浄液や塗料が滞留する。開口部、最深部
吊り方向姿勢で液抜けと外観が変わる。吊り位置、外観面
乾燥残液が跡や不具合につながる。乾燥条件、許容範囲

チェックリスト

問い合わせ前に手元で揃えておくもの

穴径

穴位置

袋形状

吊り可能箇所

外観面

上塗り有無

すべて埋めてから相談する必要はありません。未確定の項目は「未定」「現行品に合わせたい」「顧客指定を確認中」と書けば十分です。 空欄にするより、分からない項目として共有した方が、処理可否と追加確認を早く切り分けられます。

相談文の例

穴・袋形状の相談メモ

そのままコピーして、図面や写真を添えて送れる文面です。

カチオン電着塗装で穴や袋形状がある部品について、液抜け、吊り方向、外観面を確認したいです。

よくある質問

相談前によく聞かれること

穴があれば液抜けできますか。

穴の位置、向き、サイズ、吊り姿勢で変わります。

図面だけで判断できますか。

写真や現物があると、液だまりや吊り方向を確認しやすくなります。

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