見積の準備

亜鉛めっきの小ロット外注で確認すること

小ロットは数量だけでなく、治具、段取り、納期、そのあと量産に入るのかどうかで条件が変わります。継続性と検査資料の要否を最初に伝えると、判断が早くなります。

図面と少量の部品サンプルを並べて、小ロットの見積依頼を準備する机上

この処理の基本

小ロットが高くなる理由と、その先の話

めっきの費用は、数量では割り切れない

めっきの原価は、部品1個あたりの材料費より、槽を動かす段取りと治具に乗っています。液の管理、ラックの用意、条件出し。これは10個でも1,000個でも、ある程度は同じだけかかります。だから小ロットは1個あたりが高く見えます。

処理先が知りたいのは「今回何個か」ではなく「これが続くのか」です。単発の10個と、毎月10個が5年続く10個では、受ける側の判断が変わります。

小ロットは、ラインの隙間に入る

多くの処理先は、量産のロットの合間に小ロットを流します。だから納期は、自社の都合だけでは決まりません。「いつ出せば、いつ返ってくるか」を先に聞いておくと、社内の計画が立ちます。

急ぎであれば、それも最初に言ってください。優先して流せるかどうか、割増があるかどうかは、処理先によって違います。

試作のときに、量産の条件も一緒に決めておく

試作の数個だけなら、手作業でどうにでもなります。問題は量産に移ったときです。手作業でやっていたマスキングが数量に耐えない、治具が足りない、外観のばらつきが出る。試作では見えなかった制約が、量産で一気に出ます。

小ロットの相談時に、量産に入ったときの数量見込みを伝えておくと、処理先は最初から量産を想定した方法を提案できます。ここを黙っていると、量産で作り直しになります。

確認する項目

小ロット相談で確認すること

小ロットでも、継続性や量産予定が分かると候補先が判断しやすくなります。

観点曖昧なままだと起きること候補先に伝える情報
数量と継続性単発か継続かで、受けるかどうかの判断そのものが変わる。初回数量、月産見込み、年間見込み
治具・段取り少量でも治具と条件出しが要る。ここが1個あたりに乗る。形状、吊り位置、まとめて流せるか
納期量産の合間に流すため、希望日に返らないことがある。希望納期、優先度、分納の可否
量産への移行試作の手作業が量産で成立せず、方法ごと変わる。量産時の数量、マスキングの有無
検査資料少量でも成績書が要ると、測定と書類の手間が別に乗る。検査成績書、環境資料、初品承認の要否
材質とサイズバレルに入るか、ラックが要るかで単価が変わる。材質、最大外形、重量、強度区分

チェックリスト

問い合わせ前に手元で揃えておくもの

初回数量と、継続の見込み

量産に入った場合の数量

材質・サイズ・強度区分

希望する処理と後処理

希望納期と、急ぎかどうか

検査成績書・初品承認の要否

すべて埋めてから相談する必要はありません。未確定の項目は「未定」「現行品に合わせたい」「顧客指定を確認中」と書けば十分です。 空欄にするより、分からない項目として共有した方が、処理可否と追加確認を早く切り分けられます。

相談文の例

小ロット見積メモ

そのままコピーして、図面や写真を添えて送れる文面です。

小ロットの電気亜鉛めっきを相談させてください。初回は◯個、量産に入れば月◯個の見込みです。材質は◯◯、最大外形は◯◯mm。希望納期は◯月◯日です。検査成績書の要否も含めて、対応可否と概算を教えてください。量産を見据えて方法の提案があればお願いします。

よくある質問

相談前によく聞かれること

1個から相談できますか。

処理先と部品条件によります。数量、サイズ、納期、継続性を最初に伝えると、受けられるかどうかの判断が早くなります。

小ロットは割高になりますか。

1個あたりでは高くなるのが普通です。段取りと治具の費用が数量で割られるためです。継続の見込みがあると条件が変わることがあります。

試作と量産で、処理先を変えてもよいですか。

変えられますが、色調や膜厚が振れます。量産で移管するなら、試作品を現行品として比較できるよう手元に残しておいてください。

納期はどれくらい見ておけばよいですか。

量産の合間に流すため、処理先の混み具合で変わります。断定的な日数はこのサイトでは示しません。候補先へ直接確認してください。

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